QFS・量子金融システムっていうものが、今後金融の中心になるって聞いたのだけど、どういうものかな?
ここ近年、Twitterなどで「量子金融システム・QFS」なるものが、出てきています。決してトレンド入りはしないものの、じわじわ広がってきていていますが、量子金融システムは、都市伝説か、現実に起こることなのかハッキリ判別している人がいないようです。
そこで私は、この量子金融システムが嘘なのか本当なのか、現実に起こるものなのかを検証していきたいと思います。
具体的には、量子金融システムについて解説し、それぞれの矛盾点や現実離れしていることについての見解を述べていきたいと思います。
量子金融システム(QFS)とは
まずは、量子金融システム(Quantum Financial System・qfs)はこういうものです。
- 人工衛星に搭載された量子コンピュータで、現存するすべての通貨を管理
- 通貨の監視はリアルタイム
- これにより不正・マネーロンダリングができなくなり、現在の詐欺的金融システムから開放され利権がなくなる。
- グローバル通貨をリセット
- 簿外資産であったQFS資金33京円が解放された。
- 金本位制に移行していく
ネットを検索しても、人によって言っていることが違ったり、金額が大幅に違ったり(「京」を超えて「垓」の単位を出している人も)します。
また、追加でこのようなことを言っている人もいます。
- ロスチャイルドが金融を牛耳っている。
- 人類に均等に富を配分できる。
すでにツッコミどころ満載かもしれませんが、一つ一つ解説していきたいと思います。
人工衛星に搭載された量子コンピュータで通貨を管理
まず最初に気になるのが「量子コンピューター」ですよね。量子金融システムという名前の通り、量子金融システムはこの量子コンピューターによって動いているのではと思われます。
量子コンピューター
量子コンピューターとは
量子力学的な現象を用いて従来のコンピュータでは現実的な時間や規模で解けなかった問題を解くことが期待されるコンピューター。
ウィキペディア(Wikipedia)量子コンピューター
とのことで、スーパーコンピュータ(スパコン)で1万年かかる計算を3分20秒で解けるとの報道もありますが、重要なこととして「理想的な量子コンピューターは現時点でまだ存在しない」ということです。
でも、川崎市には量子コンピューターがあるじゃないか。
と反論する人もいるのでは。
確かに川崎市の産官学連携の創造的研究開発拠点「新川崎・創造のもり」で、2021年7月27日に量子コンピューターが稼働したとのことです。
確かに、川崎には量子コンピューターがありますよね。
ですが、川崎で使っている量子コンピューターの量子ビット数は、わずか27とのこと。
「スパコンで1万年かかる計算を3分20秒で解ける」とあるのは論文で理論上の話で、その前提条件としては「量子ビット数自体も約1万は必要」とされていますので、川崎の量子コンピューターだと全然足りませんよね。
でも、ビット数が少なくても、量子コンピューターは稼働できますよね。
それ以外にも、この量子コンピューターは複雑な計算を実行しようとしても、量子ビットの状態が壊れて誤りが発生するため、正確な結果が得にくくなるということで、この「誤り訂正」が量子コンピューターの重要な課題になっています。
この誤りは同じ計算を100万回繰り返し約2000回正答とのことで、正答率は0.2%とのこと。
このエラーを修正しながら、計算をする方法はわかっているようだが、技術的に極めて難しく、研究者の多くはあと20年はかかると予想しています。
つまり、量子コンピューターが完全に使えるようになるためには、20年はかかるようで、現時点において理想に現実が追いついていないようです。
人工衛星に搭載
量子コンピューターは、絶対零度付近まで下げて稼働させるとのことです。
この絶対零度とは「これ以上は冷たく出来ない温度」ということで、絶対零度付近のマイナス270度まで下げて量子コンピューターは稼働していくようです。
宇宙空間はとことん寒いので、量子コンピューターは宇宙のほうが使えると思うけど
宇宙空間も温度があるらしくマイナス270度付近になるとのことなので、これだけ聞いたひとは、宇宙では使えると思われがちですね。
とはいえ、そもそも正答率が低く0.2%で、99.8%は間違えるコンピューターを、搭載するコストが高くて、壊れても補修ができない人口衛生に搭載する意味が、果たしてあるのでしょうか?
現存するすべての通貨を管理・通貨の管理はリアルタイム
現在の通貨には番号が振られていて、その番号を元にすべての動きを監視し、それによってマネーロンダリングが一切できなくなるとのことです。
確かに、紙幣には番号が振られていますが、硬貨には振られていないので、紙幣だけってことだと思いますが、そもそも、現金の現物を追跡することってできるのでしょうか?
追跡するから、GPSと同じで人工衛星ってこと?
人工衛星だから、GPSの機能とかあって量子コンピューターで処理されるから追跡できるのではというイメージを持っているのかもしれません。
ちなみにGPSは、「人工衛星を使って位置を割り出すシステム」ですが、人工衛星そのものが、その位置を追跡しているのではなく、人工衛星から発信される電波を、地上のスマホやカーナビで受信して、その受信した電波をスマホで解析して位置を割り出す仕組みです。
つまり、GPSで位置情報を割り出す際に、人工衛星は電波を発信しているだけになりますので、地上のスマホやカーナビの位置情報は持っていません。
しかも、紙幣は紙切れ一枚なので、それをどのようにして追跡するのか。不正を暴くのかが不明です。
もし量子金融システムが稼働しているようでしたら、お金を落としたとしても誰もネコババ出来ないので、自分のところに戻ってくることになりそうです。稼働を信じている人は、一度お金をまちなかで落としてみてもいいかもしれません。
現在の詐欺的金融システムって?
現在の詐欺的金融システムは、今の仕組みのどの部分を指して詐欺と言っているのか分かりませんが、現在の金融システムにおいて、利権がなくなるというのはどういうものでしょうか?なんとなく、「一部の人が得をしている仕組み」というものでしょうか
たとえば、大企業に就職したことで一生安泰とか、公務員に就職したことで首を切られることがないと言ったことでしょうか?少なくとも、お金の仕組みが変わったとしても、いきなり大企業が倒産したり、公務員の首が切られるということが起こるのでしょうか?このあたりは何を指しているのかわかりませんし、いきなり話が飛んでいる感じもします。
なんとなく量子金融システムを信じる人が「悪」を定義していて、量子金融システムが稼働することにより、悪が一掃されるということに繋がっているようです。
グローバル通貨をリセットって?
コレは、全くを持って意味がわからないのですが、リセットというのはどういうことでしょうか?
通貨を使えなくしてしまうということでしょうか?そうすると、量子金融システムによって何を管理するのでしょうか?価値の交換は何によってされるのでしょうか?それが、仮想通貨なら、仮想通貨に置き換わるとなりますが、そのあたりが明確でないのでもやもや感が残る人が多いのではと思います。
簿外資産のQFS資金33京円が解放されたって?
33京円ってどういうものかわかりませんが、日本のGDPが500兆円ぐらいだったと思いますので、日本の660年分ぐらいのGDPに相当する金額の「簿外資産」が開放ってど言うことなのかわかりませんが、33京円だと、世界の人全員に4千万円を配れるとのことで、働かなくても生活できると思っている人が多いようです。
金本位制に移行していくって?
金本位制って何かを説明する前に、「お金ってなに?」の説明が必要になります。
お金って価値を表すものということで、日本だと日銀が発行しているものになります。そもそも、お金って紙切れですよね。それにどうして価値があるとしているかっていうと、国自体に信用があるからです。
日本の場合だと日本国としての信用です。金本位制というのは、日本国に信用がないけども、担保として「金(ゴールド)」を持っているのだったら、国は信用できないが金(ゴールド)は信用できるので、金を担保にしている現金を信用するというものです。
つまり国がや政府が成熟していなかったり、信用がなかった時代のものになります。現行は国が自国の通貨の価値をまもり、制度として通貨の価値を担保する「貨幣管理制度」を採用していまして、金による裏付けはないものの国や政府を信用してお金を使います。
「金本位制」に移行するというのは、国や政府が改めて信用できない状況になることです。そのプロセスとしては、まずは国政府が信用できない。自国の通貨って使えないどころか、ドル・ユーロに至っても信用できないので使えないという状況に陥らないと、金本位制には移行しないと思います。
また、金本位制に移行したところで、金の量が流通している現金に追いつかないので、どこかで制度自体が成立しない状況になるかと思います。
結論
以上のことを踏まえると、量子金融システムは矛盾だらけで、到底信じれるものではないと思います。
また、このようなシステムや制度を誰がどのようにして構築し、民主的な手続きを取らずして進めることが可能なのか、不明な点が多いです。
人工衛星を使ってお金を追跡することは「手段」だと思いますが、その手段を誰が何のためにどのような手続きを経て行ったのか、どこにも説明がありません。
それが、人々を救ってくれる神様のような団体が仮にあるとしても、現在各国の政府を倒して、量子金融システムの制度を樹立させないと、このようなことは起こりません。
なぜ信じてしまう?
では、なぜこのような仕組みを信じてしまうのでしょうか?
宗教的ではなくて科学的だから
普通に考えると、ありえないと一蹴してしまう話だと思いますが、少なからず信じている人がいるようです。一つ考えられるのは、「宗教的ではなくて科学的だから」だと思います。
内容的には、宗教的に「新たな世界ができるので祈りましょう」的な話ですが、「量子コンピューター」や「人工衛星」など、理屈は別にしても、技術に裏付けされた制度に「見えるから」ではないでしょうか。
実際に詳細を読み込んでいくと、矛盾点やありえないことが満載ですが、それが宗教的ではなくて、科学的なアプローチなので、ついつい信じ込みやすくなるのではと思います。
現状の生活
「自分たちのお金は誰かに搾取されている。もっと貰っていいはず。」というふうに、他責的な考え方が大きくなっていて、信じやすくなっているのではと思います。
働いても働いても楽にならない生活は、誰の責任だ?といって、犯人探しをしている中で、簿外資産が33京円もあって、それが解放されると働かなくても生活ができると思い、可能性が極めて低くても信用してしまいます。それを信用していくと、金本位制になるから金や銀の価値が上がるということで、今のうちに買ったほうがいいと思い、純金や純銀を購入してyoutubeやTwitterに投稿している人もいます。
ベーシックインカムの期待
生活から考えると、33京円も開放されて、世界の人全員に4千万円を配布できるということで、ベーシックインカムが期待できると思っている人が多いようです。
日本全国の人にベーシックインカムで、一人あたり2百万円✕20年間配布されたらどうなるでしょうか?おそらく、多くの人は仕事をやめて、悠々自適に生活できると思うのでは。
ですが、そうなったときに、自分たちが食べるご飯や野菜や肉魚は、誰が作るのでしょうか?また、誰がお店で売るのでしょうか?そのお店に誰が運ぶのでしょうか?また、電気ガス水道は誰が供給してくれるのでしょうか?搾取されたと思っている人でも理解できると思いますが、多かれ少なかれ、自分は誰かの生活を支えて、また自分は誰かに生活を支えられてという関係になっていると思います。
ではどうすればいいのか
世の中がガラガラポンして、自分の生活も良くなることを期待していたのに、これでは夢も希望もないじゃないか。
もし、量子金融システムが稼働して、簿外資産が炙り出されてベーシックインカムの原資になり、そのお金が配分されることで、働かなむても生活ができ、今までの借金がチャラになるといったいい事づくしの世の中が来ると思っていたかもしれません。
とはいえ、現実はそこまで甘くはなさそうですが、少なくとも借金をしている人は、それを法律の力を使って、取り戻したりすることは出来るのではと思います。
もし、借金でお困りでしたら、こちらをご覧ください。